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アンビリーバボー 社員を愛します 十勝バスが起こした奇跡 [テレビ]

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3月6日、フジテレビ「奇跡体験!アンビリーバボー」
北海道・帯広にある「十勝バス」が3年前に快挙を起こした事例を紹していました。


物語の主人公は社長・野村文吾さん。
高校・大学はテニスに熱中し、一時はプロを目指していました。


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大学卒業後に大手ホテルチェーンに入社し、エリートビジネスマンとして活躍。
結婚し子どもにも恵まれ、マンションも購入して幸せな生活を送っていました。


父・文彦さんは、北海道の帯広で十勝バスを運営していました。
幼い頃から自分の好きなことをやれと言われ、野村さんは家業を継ぐ気はありませんでした。


ホテルチェーンを選んだときも、「ここなら安心だ」と父から太鼓判を押され入社。
実家のバス会社の経営に関心を持ったことなど、一度もありませんでした。


ある日のこと、父親が野村さんを訪ねてきました。


 『会社をたたむことにした。
  筆頭株主のお前の承認が必要なんだ』


 「えっ?」


野村さんは2代目社長である祖父から名義を譲り受け
筆頭株主になっていました。
会社をたたむにあたり、野村さんの承認が必要だというのです。


十勝バスは市民の足として
十勝全域をカバーする、老舗のバス会社でした。


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しかしマイカーブームが到来し、利用者が激減。
乗客は全盛期の3割程度に落ち込んでいました。


父親から会社の相談をされたことは初めてのことで
野村さんは会社の現状を、これまで全く知りませんでした。


その夜、野村さんは胸をかきむしられるような苦しみを覚えました。
会社がなくなっても、自分が困ることは何もない。
しかし今日自分が幸せに暮らしているのは、全て父親のおかげ。
自分は会社を、父親を見捨てることはできない。


翌日、野村さんは父親を呼びだしました。


 「会社をおれにやらせてくれ」


 『だめだ。
  お前がやってどうにかなる段階ではないんだ。
  大手企業に勤めたからって、甘く見るんじゃない』


 「やらせてくれ。
  どうしてもやりたいんだ。
  おれが幸せなのは、十勝の人がバスに乗ってくれたからだろう」


 『勝手にしろ』


その夜、野村さんは妻に十勝バスを告ぐことを打ち明けました。
今の幸せな道を捨て、全てを捨ててでも、倒れるまでやってみると。


野村さんは34歳で十勝バスに入社しました。
経営企画本部長として、280人の社員の陣頭指揮を執ることになりました。


この頃の十勝バスは補助金なしでは運営できない状況になっていました。
このまま利用者の減少が続けば、その補助金もカットされる可能性もあったのです。
野村さんは社員に訴えました。


 「宣伝活動をしましょう。
  ポスターを貼り、チラシを配りましょう」


 『はー?
  ここは東京じゃないんだぞ。
  ポスターなんて、どこに貼るっていうんだよ。
  もっと現実を見てくれ』


 「お客さんの目を見て、挨拶をしましょう」


 『そんなこと出来ないね。
  そもそも、客がいないんだから』


当時十勝バスでは、利用者の減少を自然減と呼んでいました。
利用者の減少を食い止めることは絶対に出来ないと、社内には諦めムードが漂っていたのです。


野村さんと社員の対立はどんどん悪化していきました。
銀行に融資を頼んでも、将来性のない十勝バスに融資してくれる所など
どこにもありませんでした。
十勝バスには夢も希望もありませんでした。


十勝バスに入社して2年目。
野村文吾さんは帯広青年会議所に入会し
先輩経営者からヒントを得たいと考えていました。


そんな野村さんを支えてくれたのが長原覚さんと笠原靖さんで
毎晩深夜まで十勝バス再建に向けて話し合っていました。
ある日居酒屋で、野村さんが会社の愚痴をこぼしました。


 「あいつらは臆病なんですよ。
  何を提案しても反対ばかり。
  もう無理なんです」


 『お前、いい加減に気付け。
  会社をダメにしているのはお前なんだぞ』


 「何でオレが会社をダメにしてるんですか?
  オレはね、会社のために土下座だってしてるんですよ」


 『土下座をすれば、話しを聞いてくれるのか?』


長原さんが床にひざまずきました。


 「やめて下さいよ、何をしてるんですか。
  聞きますよ、聞きますからやめて下さい」


 『お前、一度でも自分の社員を自分たちって言ったことがあるか?
  ないよな。
  一緒に働いてくれる社員を愛せ』


 『愛せよ、今日から社員を』


この時野村さんは、胸を刺されるような痛みを覚えました。


 「愛します。
  従業員の皆さんを」


野村さんはこの時、先輩が教えてくれた“社員を愛する”という言葉に
すがるしかありませんでした。


翌日、野村さんは社員の前で語りかけました。


 「皆さん、ちょっとよろしいですか?
  私は今まで間違っていました、すみませんでした」


 「今日から皆さんを愛します。
  どうぞよろしくお願いいたします」


野村さんは社員の前で、深々と頭を下げました。



朝は会社の前に立ち、出勤する社員全員に挨拶をしました。


 「おはようございます。
  今日もよろしくお願いします」


昼食を社員と一緒にとり、距離を縮めていきました。
社員一人一人に、自分の考えを伝えました。


わずかながら残っていた会社の資産を売却し
会社の再建に向けて努力しました。
  

野村さんが正式に社長に就任したころ
これまでにない危機が会社を襲いました。
世界的な原油価格の上昇で、十勝バスは倒産寸前にまで追い込まれたのです。


もう活路はないのかと落ち込む野村さんに
社員から営業を強化するしかないという声があがりました。


社員からあがった営業強化という考えは
野村さんが十勝バスに入社したときに社員に一蹴された考えでした。


考えをあげた社員は
野村さんの意見を一蹴した社員でした。


現状維持を訴えていた社員は今までにない会社の危機にぶつかり
何かできることはないかと、前向きな考えをするようになっていました。


 『各家庭に路線、時刻表を配りましょう』


このアイディアは当時はまだなく、全国でも初めてのことでした。


 『配る地域は、白樺通19条停留所付近のみに限定します』


その地域は十勝バスがカバーするエリアの十分の一程度の地域で
野村さんが想定したものよりはるかに小さいものでした。


しかし野村さんはにっこり笑いました。


 「分かりました、やりましょう!」


十勝バスの社員は初めての営業活動で
緊張と気恥ずかしさでドキドキしていました。


勇気を振り絞って、ポストにチラシを投函しました。


 “何をやってるんですか”


 『す、す、すみません。
  十勝バスのものです』


厳しい声で咎めた女性は
チラシを投函した家の住人でした。


営業活動は迷惑に違いない。
社員は肩をすくめて謝罪しました。


女性は路線と時刻表のかかれたチラシを手に取り
にっこりと十勝バスの社員に笑いかけました。


 “私、最近バスに乗ってなくて
  本当にご免なさいね”


営業に回った家庭で、嫌な顔をする人は一人もいませんでした。
皆さん笑顔で応対し、質問をしてくる人さえいたのです。


 『社長、最近なにかあったんですかね?』


 「どういうことだい?」


バスの運転手さんが、ある日野村さんに質問をしてきました。


 『最近、停留所に必ず人がいるんですよ。
  数は一人か二人とか、少ないんですけどね』


 「ど、ど、どこだい、その停留所は?」


 『白樺通19条停留所です』


やったぞー。
その場にいた社員全員が喜びを爆発させました。
社内は歓喜の声に包まれました。



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自分の足で営業した地域で乗客がバスを利用してくれたことにより
社員のモチベーションがあがりました。
様々なアイディアが、次々と出されました。


停留所ごとに病院やお店、学校など、イラストの入った路線図。
バスを知ってもらうため、土・日乗り放題の企画。


利用者の立場に立った
魅力的なバスの利用法が、企画されたのです。


居酒屋で先輩に諭され、社員を愛すると決めてから6年。
その思いは社員が利用者を愛することにようやくつながったのです。
野村さんは感無量でした。


十勝バスを取り巻く環境は少しずつ変わっていきました。
利用者が増加したのです。


自分たちは地元の人々に必要とされているのだ。
社員の胸に自信が湧いてきました。


2011年、野村さんが十勝バスに入社して13年目。
十勝バスは40年ぶりに増収に転じました。


地方路線バスで増収となったのは
全国で初めての快挙でした。


十勝バスの起こした奇跡の物語は
「KACHI BUS」というミュージカルになりました。


観客からは


 “前向きな気持ちになれました”


 “地元、十勝が誇らしくなった”







今年度も十勝バスは、3年連続で増収しています。
十勝バスの社員たちは、寒い帯広の冬の大地を、今日も歩き続けています。




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